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経営者は、組織のビジョンを掲げ、ヒト・モノ・カネといった経営資源をどこに投資するかを決定する役割を持ちます。簡単に言うと、経営者とは「会社の舵取りを行い、最終的な意思決定に責任を持つ立場の人」です。
本記事では、経営者の本質的な役割や必要な知識、更には経営者になるための具体的な方法などを詳しく解説します。
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Contents

経営者とは、事業の意思決定を行い、その結果に対して責任を負う立場の人です。まずは、基本的な役割や法的責任の範囲について解説します。
経営者は、一般的に企業の経営方針を決定し、組織を統率しながら会社の成長と存続を支える役割を担います。経営者という言葉自体には法律上の明確な定義はなく、同じ経営者でもその立場は一様ではありません。
例えば、自ら会社を立ち上げた創業者や多くの株式を保有するオーナー経営者は、経営に関する最終判断も自らが行うケースが多くなります。企業の理念を体現し、自身の哲学を色濃く組織に反映させるリーダーとしての側面が強くなります。
一方で、株式の保有割合が少ない場合や企業のガバナンス体制によっては、経営者は取締役会などの意思決定プロセスに従う必要があるため、裁量や権限が限定されます。この場合、経営者は株主やステークホルダーの期待に応え、組織全体の力を最大化させるスキルが求められます。
株式会社において、会社の重要事項に関する最終的な決定権は株主総会にあるため、経営者が保有する株式の割合によって影響力が異なる点に注意が必要です。経営者は企業の方向性を定め、経営資源を最適に配分しながら、企業の持続的な成長を実現する責任を担います。
経営学の分野では役割やあり方についてさまざまな考えが示されています。ここでは、現代経営学に大きな影響を与えたピーター・ドラッカーとチェスター・バーナードが考える経営者像について見ていきましょう。
ピーター・ドラッカーは、経営者を組織の重要な意思決定を担う存在と捉え、企業の目的を明確にし、組織を成果へ導く責任を負うと説きました。また、事業の方向性の決定や資源の配分、人材の活用などを、経営者に求められる重要な役割として捉えています。
更に、経営者は単に組織を管理するだけでなく、自らの役割を明確に認識しながら組織全体の成果に責任を持つべきだと考えました。また、目の前の課題への対応にとどまらず、将来の変化や新たな機会を見据えながら意思決定を行うことも重要な役割としています。
経営者の仕事は成果を上げることであると論じ 、組織の内部ではなく顧客や社会といった外部に目を向けることの重要性も強調しています。
チェスター・バーナードは、経営者を組織内の協働を成り立たせるための存在と捉えました。バーナードによれば、組織が存続するためには「共通の目的」「コミュニケーション」「貢献意欲」の3つが不可欠であり、経営者にはこれらを維持・強化する役割が求められます。
また、経営者は指示や命令を出す立場にあるものの、権威は一方的に与えられるものではなく、部下に受け入れられることで初めて成立するとも説いています。
つまり、経営者の権威は地位ではなく、組織の目的を共有し、社員の信頼と協力を得ることで生まれます。そのため、経営者には命令や管理だけでなく、人々を同じ方向へ導くリーダーシップが求められます。
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「経営者」「社長」「代表取締役」は混同されることが多い言葉ですが、それぞれ意味や位置付けが異なります。違いを理解するためには、「概念」「役職」「法律」という3つの軸で整理すると分かりやすいでしょう。
まず、「経営者」は会社の経営方針を決定し、事業運営に責任を持つ人を指す概念的な総称です。法律上の定義はなく、会社の規模や組織形態によって該当する人物は異なります。
次に、「社長」は会社内で用いられる役職名の一つです。一般的には企業の最高責任者を指しますが、こちらも法律で定められた名称ではありません。そのため、会社によって社長の立ち位置は異なり、会長やCEOが実質的な経営の中心を担っている場合もあります。
一方、「代表取締役」は会社法に基づく正式な役職です。多くの株式会社において、取締役のなかから選任され、会社を代表して契約を締結するなど、対外的に会社を代表する法律上の権限を持ちます。ただし、組織の形態によっては、「代表執行役」などがその権限を持つケースもあります。
なお、社長であっても代表権を持たないケースや、社長ではない会長・CEOが代表取締役を兼務しているケースもあります。そのため、「社長=代表取締役」とは限りません。
このように、「経営者」は経営を担う立場や役割を示す概念、「社長」は社内での職務上の呼称、「代表取締役」は会社法上の地位を表す名称です。実務上は一人がこれらを兼ねているケースが多いものの、それぞれが示す意味は異なります。
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会社法429条では、「役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う」と定められています。
この規定をはじめ、会社法では役員等に対し、会社の利益のために善良な管理者として適切に職務を遂行することが求められており、その義務に反したとみなされる場合には法的責任を問われる可能性もあるでしょう。
例えば、取締役等の著しい注意義務違反などによって会社に損害が生じた場合は、株主が会社に代わり取締役等の責任を追及する「株主代表訴訟」が提起されることがあります(会社法847条)。経営者は、会社運営に大きな権限を持つ一方で、それに応じた法的責任を負う場合があります。特に、取締役などの役員は、会社法に基づく責任を負います。
このように、経営者には会社運営に関する幅広い権限が与えられることが多い一方で、その判断や行動には相応の責任が伴います。経営者を目指す際は、経営戦略や事業運営だけでなく、法令遵守やリスク管理の重要性についても理解しておくことが大切です。
【出典】e-Gov「会社法」

経営者は、組織運営や資金調達、人材育成など、企業の成長や存続に関わる幅広い業務を担っています。ここでは、経営者の主な仕事内容を6つ紹介します。
経営者の重要な仕事の一つに、経営理念や経営方針の策定が挙げられます。
経営理念とは
企業がどのような価値を社会に提供するのか、何のために存在するのかといった根本的な考え方を示すものであり、企業活動の根幹となる価値観や使命を表します。
経営方針とは
経営理念を実現するために、どのような方向性で事業を進めていくのかを示すものであり、事業戦略や組織運営の指針となります。
市場環境や顧客ニーズが変化するなか、組織として一貫した判断を行うためには、明確な理念と方針が欠かせません。経営者には、自社の強みや社会的な使命を踏まえて理念や方針を定め、それらを社内外へ広く共有しながら組織全体に浸透させていくことが求められます。
どれだけ優れた理念や方針を策定しても、それだけでは成果につながりません。経営者には、目標達成に向けて必要な人材や資金を最適に配分し、計画が着実に実行されるよう組織を率いていくことが不可欠です。
更に、市場環境や顧客ニーズが変化した場合には、状況に応じて戦略を見直し方向修正を行うことも重要です。
企業経営では、すべての判断に明確な正解があるとは限りません。そのため、経営者には限られた情報のなかでリスクと機会を見極めながら決断を下し、その結果に対して最終的な責任を持つという真摯な姿勢が求められます。
事業を継続し、更なる成長を遂げていくためには、十分な資金を確保することが不可欠です。経営者は自社の財務状況や事業計画に応じて必要な資金を調達し、適切に管理する役割を担います。
一般的な資金調達の方法には、
・金融機関からの融資
・投資家からの出資
・社債の発行
など、さまざまな選択肢があります。それぞれ返済義務の有無やコストが異なるため、経営者はバランスの良い手段を柔軟に検討していかなければなりません。
また、資金を確保するだけでなく、その使い道を管理することも重要な仕事です。
・設備投資
・人材採用
・研究開発
など、経営資源をどこに配分するかによって、企業の将来は大きく左右されます。経営者には、投資対効果を見極め、成長のために資金を活用すると共に、利益だけでなくキャッシュフローも管理し、資金繰りや将来の資金需要を見据えた財務管理が求められます。
収支の状況を把握しながら、安定した事業運営と中長期的な成長を両立させることが重要です。資金調達と資金管理は企業成長の土台であり、その巧拙が企業の競争力を左右します。
人材は企業の成長を支える重要な経営資源の一つです。事業戦略を形にするためには、必要なスキルを持つ人材の確保だけにとどまらず、メンバーそれぞれの能力を最大限に発揮できる環境づくりが欠かせません。
そのため、どのような人材を採用し、どのように育成していくのかという方針決定は、人事の枠組みを超えた、経営の中核をなす意思決定です。
ただし、少子高齢化に伴う労働人口の減少や、働き方の多様化が急速に進む現代において、人材に関する課題は企業ごとに異なるのが実情です。だからこそ、経営者には将来を見据えた人材戦略を示すと共に、採用だけでなく人材育成や挑戦を後押しする組織文化を築くことが重要です。また、将来の経営を担う次世代リーダーの育成も、経営者にとって重要な責務といえます。
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経営者には、企業を取り巻くさまざまなステークホルダー(利害関係者)と強固な信頼関係を築く役割があります。このステークホルダーには、株主や投資家、従業員はもちろん、顧客や取引先、金融機関、そして地域社会にいたるまで、幅広い存在が含まれます。
企業活動は、こういった多くのステークホルダーの支えによって成り立っています。そのため、経営者には、それぞれの期待や要望を真摯に受け止め、互いの価値を最大化するような誠実なコミュニケーションが求められます。
例えば、
・株主や投資家に対しては、透明性の高い発信を心掛ける
・従業員に対しては、目指すべき経営方針をしっかりと共有する
・取引先や金融機関に対しては、安定した事業運営や適切な情報開示を通じて信頼関係を維持する
など、組織内外との理解や信頼を深めていくアプローチが大切です。
また、近年は企業に対して社会的責任や持続可能な経営が求められる場面も増えています。そのため、経営者には短期的な利益だけでなく、多様なステークホルダーとの信頼関係を維持しながら企業価値の向上を目指していく、バランスの良い舵取りが期待されています。
経営者は、企業を取り巻くさまざまなリスクを予測・把握し、万が一問題が発生した際は迅速かつ適切に対応しなければなりません。事業を成長させるための攻めの経営だけでなく、会社を守るための危機管理も極めて重要です。また、リスクマネジメントにおいては問題発生後の対応だけでなく、リスクを事前に特定し、発生を未然に防ぐ仕組みを構築することも求められています。
具体的には、
・法令違反を防ぐコンプライアンス体制の整備
・情報漏えい・不正アクセスを防ぐサイバーセキュリティ対策
・大規模な災害や事故に備えた「BCP(事業継続計画)」の策定
などが挙げられます。これらは防衛策にとどまらず、社会からの信頼を維持するための不可欠な投資です。
また、業績悪化の兆候が見られた場合には、コスト構造の見直しや事業の選択と集中など、早い段階で経営判断を行うことも大切です。
更に、予期せぬトラブルが発生した場合には、経営者自らが先頭に立ち、事実関係の確認や関係者への説明、再発防止策の策定などを主導しなければなりません。危機への対応次第で、企業の存続が左右されることもあります。そのため、経営者には冷静に状況を見極めながら組織を率い、適切な判断と行動を取ることが求められます。

経営者には、企業の方向性を決定し、組織を成長へ導く重要な役割があります。ここからは、経営者として活躍するために重要とされる主な資質・能力について見ていきましょう。
経営者には、現在の状況だけでなく、将来の市場環境や社会の変化を見据える先見性が求められます。技術革新のスピードが加速し、消費者の価値観や法規制が目まぐるしく変わる現代において、これまでの成功体験が通用しなくなるケースは少なくありません。
こうした変化の兆しを早期に捉え、自社に与える影響を多角的に予測しながら戦略に落とし込むことで、新たな事業機会の開拓や将来的なリスクの回避につなげやすくなるでしょう。先見性とは、変化の本質を見抜き、将来を見据えて意思決定する力です。そして、その判断を行動に移す決断力も経営者に欠かせない資質です。
不確実性の高い時代だからこそ、経営者には組織の目標や方向性を明確に示し、従業員のモチベーションを高めていくリーダーシップが欠かせません。リーダーシップとは、組織が目指すべき方向性を示し、メンバーの共感と信頼を得ながら、一体感を持って目標達成へ導く力を指します。
更に、近年はトップダウンで組織を動かす力だけでなく、メンバーの自主性を尊重しながら、多様な人材が意見を発信しやすい環境をつくるマネジメント力も重要視されています。
また、経営者が掲げるビジョンを単なるスローガンで終わらせず、従業員一人ひとりが自らの仕事に納得感を持てるような環境を整えることも大切です。
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経営には、投資や採用、新規事業の立ち上げなど、企業の将来を左右する意思決定が数多く存在します。そのため、経営者にはデータや客観的な事実に基づいて結論を導き出す論理的思考力が必要です。
直感やひらめきから良いアイデアが生まれることもありますが、より納得感のある判断につなげるためには、複雑に絡み合う課題を要素ごとに整理し、メリット・デメリットを冷静に比較検討するプロセスが欠かせません。
また、経営では十分な情報が揃わない場面も多く、限られた情報から最適な判断を下す力が求められます。論理的思考力は、課題の本質を見極め、判断の根拠を分かりやすく伝えるためにも欠かせません。
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経営者は社内の従業員だけでなく、取引先や顧客、金融機関、投資家といった関係者と関わりながら事業を推進していきます。そのため、自社の強みを分かりやすく伝える発信力と、相手が抱える潜在的なニーズをくみ取る傾聴力の双方が必要です。
「コミュニケーション力」とは、話が上手であることだけではありません。相手の立場や考え方を理解しながら対話を重ね、互いに納得できる関係を築く力でもあります。
良好なコミュニケーションを通じて築かれる強固な信頼関係は、単なる取引を超え、戦略的なパートナーシップや、新たなビジネスチャンスを生み出すきっかけにもなり得るでしょう。
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企業経営では、業績の変動や人材不足、クレーム対応、予期せぬ社会情勢の変化など、さまざまな課題に直面することがあります。そのような場面で常に冷静なスタンスを保ち続けるためには、トラブルにも動じないタフネスが極めて重要です。
経営者は重要な意思決定に責任を負う立場であり、時には厳しい批判やプレッシャーにさらされます。そのような状況でも、感情に流されず冷静に判断する力が求められます。
困難な状況を、組織が成長するためのプロセスとして受け止め、感情に流されることなく前向きに乗り越えていく力は、経営者に求められる重要な資質の一つといえるでしょう。
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組織のトップである経営者は、最終的には自らの責任で意思決定を行わなければならないケースも多く、時には周囲と対立することがあるかもしれません。
重要な経営判断ほど正解が見えにくく、判断に迷う場面もあるでしょう。それでも会社や従業員の未来のため、限られた情報のなかで責任を持って判断を下す必要があります。決断の結果から学び、次の意思決定に生かすことも重要です。
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経営者は、企業の成長や存続に関わる重要な意思決定を担う立場のため、自身の専門分野だけでなく、経営全般に関する知識を身に付けておく必要があります。ここでは、経営者に求められる主な経営知識を紹介します。
経営者には、適切な経営判断を行うための財務・会計知識が求められます。損益計算書(PL)・貸借対照表(BS)・キャッシュフロー計算書(CF)などを読み解く力があれば、自社の収益性や安全性、資金繰りの状況を客観的に把握し、的確な経営判断を下すことが可能になります。
財務・会計知識は単に会社の現状を把握するためだけではありません。設備投資や新規事業への参入、人材採用、資金調達といった重要な意思決定においても欠かせない知識です。
月次決算や財務諸表を定期的に確認し、数字だけでなく、その背景にある経営課題を読み解くことが重要です。
財務・会計知識を身に付ける代表的な方法としては、簿記の学習が広く知られています。
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企業活動には、会社法や労働法、個人情報保護法などさまざまな法律が関わるため、経営者には法務やコンプライアンスに関する基本的な知識が必要です。想定される法的リスクを理解しておくことで、トラブルの予防や迅速な危機管理にもつなげられます。
具体的な学習方法としては、ビジネス法務に関する書籍やセミナーへの参加が有効です。また、顧問弁護士や社会保険労務士などの専門家に相談しながら実務を学ぶことが効果的です。
経営者自身が法務・コンプライアンスの重要性を理解し、組織全体に浸透させることで、持続的な企業経営の基盤を築くことができます。
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経営者には、採用や人材育成、評価制度など、ヒトに関わる管理知識も欠かせません。どれほど優れた事業戦略を掲げても、組織という実行基盤が整っていなければ、狙いどおりの成果は生み出せません。
労働法令の遵守や適切な労務管理、働きやすい職場環境の整備は、従業員の能力を引き出し、人材不足や働き方の多様化が進むなかで企業競争力を高める重要な取り組みです。
こうした組織デザインの知識は、人事部門での実務経験や、管理職として多様な部下のマネジメントに直面するなかで実践的に磨かれていく傾向があります。人事制度や組織開発を体系的に学ぶことで、組織全体を見渡す経営視点が身に付きます。
また、成長段階に応じて権限委譲や組織体制を見直し、継続的に成果を生み出せる組織づくりが重要です。
【参照】厚生労働省「知って役立つ労働法~働くときに必要な基礎知識~」
経営者には、市場や顧客のニーズを理解し、自社の商品・サービスをどのように届けるかを考えるマーケティング知識が求められます。
これは、単なる営業手法や広告宣伝テクニックにとどまらず、事業戦略そのものに関わる重要な知識です。変化する市場環境に対応しながら、自社の強みを生かした差別化を図り、継続的に顧客から選ばれる仕組みを構築することが重要です。
この知識を深めるためには、3C分析やSTP分析といったマーケティングの基本フレームワークを学んだり、ヒット事例に対して「なぜ売れているのか」という視点で分析する癖をつけたりするのが効果的です。
また、営業や企画、商品開発など、顧客と接点のある業務を経験することで、理論と現実を融合させた実践的なビジネス感覚を養うことができます。
近年はデジタルマーケティングやSNSを活用した情報発信の重要性が高まっています。市場や顧客ニーズの変化を捉え、顧客価値を高める施策を継続的に見直していくことが大切です。
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近年は、AIやデータを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が、企業の成長を左右する重要なテーマになりつつあります。そのため、経営者もデジタル技術やデータ活用の基本を理解しておかなければなりません。
DXは、業務やビジネスモデルを変革し、企業の競争力を高める取り組みです。経営者には、技術そのものではなく、技術を経営課題の解決や新たな価値の創出にどう生かすかという視点が求められます。
これらの知識を身に付けるには、オンライン入門講座や最新技術トレンドに関するセミナーを活用するほか、自社で導入しているシステム・データ分析ツールなどに積極的に触れることが有効です。
また、AIやデジタル技術の分野は変化のスピードが速いため、業界動向や最新の活用事例に目を向け、新しい情報を取り入れ続けることが、経営環境の変化に対応するうえで重要です。
【関連記事】「マネジメントはAIでもっと「面白く」なる。管理職が市場価値を高めるためのAI活用力とは?」
ここからは、経営者に役立つ資格を4つ紹介します。資格の勉強を通じて知識を身に付ければ、経営判断の質を高め、専門家とのコミュニケーションを円滑にする効果が期待できます。
ただし、経営者になるために必須の資格はなく、実務では資格よりも経験が重視される傾向にあります。そのため、資格はあくまでも知識を習得するための手段と捉えるのが良いでしょう。
中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対して診断や助言を行う国家資格です。試験の難易度は比較的高く、1次試験の合格率は例年20%前後ですが、学習を通じて財務・会計、経営法務、人事・組織論、マーケティングなど、企業経営に必要な知識を体系的に身に付けることができます。
また、経営戦略の立案支援、財務改善、販路開拓、人材育成など、幅広い分野で企業の成長をサポートすることができるため、経営者や経営幹部を目指す方にも役立つ資格です。
【出典】JF-CMCA 日本中小企業診断士協会連合会「中小企業診断士制度」
【出典】JF-CMCA 日本中小企業診断士協会連合会「中小企業診断士試験」
ビジネスマネジャー検定試験®は、東京商工会議所が主催する検定試験です。管理職に求められる知識や考え方を体系的に学べる内容となっており、人材マネジメントや組織運営、コンプライアンス、リスク管理、財務の基礎などを幅広く学習できます。
特に、これから経営幹部や経営者を目指す方にとっては、マネジメントに必要な知識を整理する機会となるでしょう。実務経験だけでは体系化しにくい組織運営の考え方を学べるため、管理職としてのスキルアップにも役立ちます。
※ビジネスマネジャー検定試験®は東京商工会議所の登録商標です。
企業経営に欠かせない財務・会計の知識を身に付けたい場合には、日商簿記検定が役立つでしょう。簿記は経理担当者だけでなく、予算管理や収益管理、投資判断などに関わる経営者にとっても役立つ知識とされています。
経営に生かすことを目的とする場合は、2級以上を目指すと良いでしょう。2級では、基本的な「商業簿記」に加え、製品の製造コストを計算する「工業簿記」を学ぶため、企業活動や会計実務への理解が深まり、財務諸表から経営状況を読み解く力を養うことができます。
更に1級は、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行えるレベルです。
【出典】商工会議所の検定試験「簿記」
MBA(Master of Business Administration)は、厳密には資格ではなく、経営学を専門的に学ぶ大学院の修士課程を修了することで授与される学位です。経営戦略や財務・会計、マーケティング、人材マネジメントなど、経営に関する知識を体系的に学べることから、経営者や経営幹部を目指す人が取得を目指すケースもあります。
また、多様な業界や職種の受講生との交流を通じて、人的ネットワークを構築できることも大きな魅力です。
相応の学費や学習時間の確保が必要となるため、ほかの資格と比べてハードルは高い傾向にありますが、近年は夜間コースやオンライン・通信制プログラムを提供する教育機関も増えており、働きながら学位取得を目指すことも可能です。
【関連記事】「管理職向け資格20選!マネジメントに役立つ資格を一覧で紹介」
【関連記事】「40代で転職する際におすすめの資格|取得するメリットや選び方も紹介」
【関連記事】「転職で役に立つおすすめ資格|転職に有利な資格一覧」
【関連記事】「海外転職に役立つ!国際資格完全ガイド」
経営者を目指したいと考えていても、「どのようなキャリアを歩めば良いのか分からない」という方は少なくありません。実際、経営者になる方法は複数あるため、自身の状況やキャリアプランに合った道を選ぶことが大切です。ここでは、経営者になる代表的な方法について紹介します。
自ら会社を設立し、経営者として事業を運営する方法です。事業内容や組織のあり方、経営方針にいたるまで、自分の理想を形にできる自由度の高さが魅力であり、新しい商品やサービスを世に送り出したい人にとっては、やりがいを感じるでしょう。
一方で、起業時の資金調達やコアメンバーの採用、新規取引先への営業活動などは、自らが先頭に立って主導しなければなりません。事業の成長による大きな成果が期待できる反面、経営上の責任をすべて自ら負うという厳しさもあります。
起業を成功させるには、市場ニーズを踏まえた事業計画や資金管理などの準備が欠かせません。近年は創業支援制度も充実しており、積極的に活用しながら事業基盤を整えることが重要です。
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すでに実績のあるフランチャイズ本部のブランド力や運営ノウハウを活用しながら独立する方法です。コンビニや飲食店といった小売業から、介護・福祉サービスにいたるまで、ビジネスの再現性が高いさまざまな業界でこの仕組みが採用されています。
知名度のあるブランドを活用できることから、創業当初から一定の集客や事業運営の仕組みを利用できる点もメリットです。
ゼロからビジネスモデルを構築する必要がなく、研修や運営サポートを受けられる場合もあるため、起業経験がない方でも比較的挑戦しやすいといえます。
ただし、加盟金やロイヤリティが発生するほか、本部のルールに沿った運営が求められるケースもあります。そのため、独自の経営判断ができる範囲をあらかじめ理解したうえで、収益モデルや契約条件、サポート体制を十分に確認し、自身の経営スタイルに合っているか見極めることが大切です。
会社員として経験を積み、管理職や役員を経て経営層に加わるルートです。すでに自社の強みや事業内容、組織文化を深く理解しているため、比較的スムーズに組織運営を行いやすく、継続性のある経営判断を下せることが強みです。
また、近年では社内ベンチャーの責任者や子会社の社長として経営経験を積み、その後に本体企業の経営を担うケースもあります。経営に必要な知識やマネジメント経験を段階的に身に付けられるため、企業内でキャリアを築きながら経営者を目指したい方に適した方法です。
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経営幹部や事業責任者として他社へ転職し、経営に携わる方法です。CEO(最高経営責任者)やCOO(最高執行責任者)、事業部門の責任者などとして招かれ、企業の成長や改革を担うケースがあります。
特に、特定分野において高い専門スキルや豊富なマネジメント経験を持つ人材は、経営人材として採用されやすい傾向です。このルートでは、専門性だけでなく、新たな環境に適応し、組織全体を見渡す経営視点が求められます。財務や人材戦略など、幅広い知識を身に付けることも重要です。
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既存企業の経営を引き継ぐことで経営者になる方法です。親族から事業を引き継ぐ「親族内承継」のほか、従業員や役員が引き継ぐケース、M&Aを通じて第三者が経営権を取得するケースなどがあります。
すでに強固な顧客基盤や信頼できる従業員、店舗や設備といった経営資源が揃っていることが多いため、一から起業する場合と比べて事業運営を始めやすいという強みがあります。
一方で、これまで培われてきた企業文化や取引先との関係を引き継ぐ必要があり、円滑な承継に向けては、財務面だけでなく、関係者との信頼関係を築くことも重要です。また、既存の強みを生かしながら、時代の変化に合わせた成長戦略を描くことが求められます。
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経営者として活躍している人の多くは、日々の業務を通じて経営に必要な視点や判断力を磨いています。将来的に経営者を目指すのであれば、早い段階から経営を意識した行動を取ることが重要とされています。ここでは、経営者を目指すうえで押さえておきたい取り組みのポイントを紹介します。
経営者には組織全体を見渡す幅広い視野が求められますが、必ずしもすべての分野においてトッププレイヤーである必要はなく、特定の専門分野を強みに経営者として活躍している人も少なくありません。
そのため、まず自分がどのような強みを持っているのかを客観的に把握することが大切です。営業やマーケティング、財務・会計、技術開発、人事など、自身がこれまで培ってきた経験やコアスキルを棚卸しして、「自分の強みでどのような経営課題を解決できるか」を考えてみてください。
周囲から評価されている点を振り返ることも、強みを見つけるヒントになります。強みを伸ばし、自分らしい経営スタイルを築くことが大切です。
経営者には、自社の状況だけでなく、市場や顧客ニーズ、競合他社の動向などを幅広く把握する視点が求められます。テクノロジーの進化や予期せぬ社会情勢の変化によって、これまでは王道だったビジネスモデルが、突然通用しなくなるような大きな変化が起こり得るからです。
業界ニュースや専門メディアに目を通すことはもちろん、一見すると自社とは直接関係のなさそうな展示会やセミナーに参加してみることも、視野を広げるきっかけになるでしょう。重要なのは情報を集めることではなく、変化の兆しを読み取り、自社の経営にどう生かすかを考えることです。幅広い情報に触れ、変化を先回りして捉える習慣が、経営者としての先見性につながります。
経営を取り巻く環境は常に変化しています。法改正や労働環境の変化、更には生成AIをはじめとするデジタル技術の急速な台頭など、経営判断に影響を与える要素は数多くあります。
そのため、これまで紹介した経営知識をアップデートし続けるリスキリングの姿勢が極めて重要です。学んだ知識は、経営判断や組織運営で実践してこそ力になります。書籍やセミナー、オンライン講座などを活用し、継続的に学び続けることが、経営者と組織の成長につながります。
経営者になると、重要な意思決定を行う場面が増えるため、他社の経営者の実務経験や、意思決定に役立つ知見に触れる機会も重要になります。そのため、経営者になる前から社外や業界リーダーとのネットワークを築いておくことが大切です。
異業種交流会や経営者向けセミナー、業界団体の活動などに参加することで、他社の経営に関するリアルな知見に触れることができます。こうした人とのつながりは、将来的に起業や事業承継、あるいはCxOとしての転職といった新たな挑戦に取り組む際にも、思いがけないチャンスを生み出す原動力になるかもしれません。
経営者とは、企業の方向性を定め、組織を運営しながら最終的な経営責任を担う存在です。法的な定義はありませんが、重要な意思決定、資金管理、人材マネジメント、リスク管理など、企業経営に関わる幅広い役割を担います。
経営者になる方法は、起業や社内昇進、経営幹部としての転職、事業承継などさまざまです。どの道を選ぶ場合でも、自身の強みを理解し、市場の変化に目を向けながら知識や経験を積み重ねていくことが、経営者を目指すうえで大切な第一歩となるでしょう。
経営者に求められるものは、特別な才能だけではありません。学び続ける姿勢と責任ある意思決定を積み重ねることで、誰もが経営者への道を切り拓くことができるのです。
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監修:谷所 健一郎
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)/有限会社キャリアドメイン 代表取締役
1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」、「転職者のための面接回答例」、「転職者のための自己分析」(いずれもマイナビ出版)ほか多数。