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「コンサルタント(人材紹介)」と「転職サイト」、どちらも転職活動を支援するサービスですが、「違いや特徴がイマイチ分からない」「自分はどちらを使うべきか?」と、悩む人もいるのではないでしょうか?そこで、転職経験がある人にアンケートを実施し、コンサルタントと転職サイトのサービスで「どちらのサービスを利用した人が多いか」や「使って良かった」と感じたこと、更に「入社した企業への応募で利用したサービス」について調べてみました。また、それぞれの違いや特徴についてもまとめて解説。自分に合ったサービスを選ぶ参考にしてくださいね!
調査方法/1年以内に転職経験のある全国の男女20~39歳を対象にインターネット調査、回答数200 調査期間/2017年7月21日~24日
アンケート結果を見る前に、それぞれのサービスの違いを簡単に説明します。
対人型のサービスです。多くのコンサルタントの場合、まずはコンサルタント会社へ出向き、エージェント(キャリアアドバイザー、キャリアコーディネーターなど、呼び方が異なる場合もある)と個別に面談を行います。そこで伝えた自身の経歴や希望をもとに、コンサルタントから求人が紹介されます。応募書類作成や面接の際にもサポートを受けることができます。
WEBサイトを通じたサービスです。転職サイトは一般的に、さまざまな業界・職種の求人が掲載されていて、自由に検索、閲覧が可能です。数多くの求人情報を比較、検討したうえで、転職サイトを通じて手軽に応募することができます。
コンサルタントも転職サイトも、あらゆる会社のサービスがあり、中には特定の業界や職種に特化している場合もあります。
それでは、転職経験者はどちらのサービスを使って転職をしたのでしょうか? アンケート結果を見ていきましょう!
1年以内に転職経験のある20~39歳の200人に、「転職活動で登録したサービス」を聞いたところ、一番多かった回答は「コンサルタントと転職サイト、どちらも登録した」で29%でした。
次に「コンサルタントのみ登録した」が26%、「転職サイトのみ登録した」が24%と続き、それぞれにあまり大きな差はありませんでした。
また、どの回答の中にも複数のコンサルタントや転職サイトに登録した人が多く、さまざまなサービスから情報収集や応募検討をしていることが分かりました。
では、コンサルタントと転職サイトを利用した人が感じた、それぞれのサービスの「良かった」点について紹介します。
一番多かったのは、「担当エージェントの対応が良かった」と「自分に合った求人を紹介してもらえた」が同率で44.4%。2番目に多かったのは、「面接日程の調整など、企業への連絡を代行してもらえた」で23.6%、続いて「応募企業に関する情報提供」で22.2%でした。
そのほか、応募書類の添削、面接対策などが挙げられており、一人ひとりに担当エージェントが付くコンサルタントならではの特徴が上位を占める結果となりました。
コンサルタントの良い点について、アンケートを通じて以下のような特徴が見えてきました。
コンサルタントでは、個別に担当エージェントが付き、面談から内定まで転職活動をサポートしてくれます。キャリアの相談や求人の紹介だけでなく、応募書類や面接に関するアドバイスがもらえるので、人に相談しづらい転職活動への不安も解消しやすく、心強いと思う人が多いのかもしれません。
コンサルタントは、面談で話した経歴や、希望する条件とマッチする求人を紹介するので「自分に合った求人が紹介してもらえる」と感じる人が多いのかもしれません。閲覧できる求人数は、転職サイトに比べると少なくなるかもしれませんが、その分、自分で求人を探す手間が少なくなります。
また、企業との面接日程の調整などもコンサルタントが代行し、スケジュール管理を行ってくれることもあり、効率よく転職活動ができると感じる人もいるようです。
コンサルタントでは、一般公開していない求人(非公開求人)を紹介されることもあります。また、企業への質問や、給与の交渉についても、コンサルタントを通して行えることがあるようです。
求人情報や企業ホームページでは分からない情報を得られる可能性があるのは、コンサルタントならではの特徴かもしれません。
転職サイトを利用して良かったと感じることで一番多かったのは「求人情報が多い」で56.7%、次に「自分のペースで転職活動ができる」で44.0%でした。
以降、「複数の求人に応募しやすい」29.9%、「応募したい求人が掲載されていた」19.4%、「応募企業と直接やりとりができた」17.9%と続き、求人情報の数や内容、また企業への応募の段階で「良かった」と感じることが上位を占めています。
アンケートから、転職サイトの良い点についても以下のような特徴があると言えそうです。
コンサルタントは、紹介された求人の中から応募を検討していくことが一般的ですが、転職サイトでは、掲載されているすべての求人を閲覧することが可能です。業界や職種、企業規模など問わず、あらゆる求人を比較、検討したうえで応募できます。そのため「自分で応募企業を選択できる」という納得感も高いのかもしれません。
また、コンサルタントの場合、転職希望者の経歴を踏まえて求人を紹介するため、「経験者を募集する求人が多い」と一般的に言われています。
しかし、転職サイトの場合は「未経験者募集」の求人も多く、応募条件に当てはまれば誰もが応募できるので、「職種や業種を変えたい」と思う人にはチャンスが多いでしょう。求人を見ているうちに、自分が考えてもみなかった業界や職種とのマッチングに気づくこともあるかもしれません。
求人検索だけでなく、履歴書、職務経歴書の作成や、応募、応募企業とのやりとりなど、転職活動の多くをサイト上で行うことができるのは転職サイトの大きな特徴です。
「サイトやアプリが使いやすかった」、「便利なサービスや使いたいと思うサービスがあった」などの声も挙がっています。パソコンだけでなく、スマートフォンに対応している転職サイトも増えているため、特に在職中などの場合は、仕事の休憩時間や移動時間にもサービスを利用でき、便利だと思う人が多いのかもしれません。
コンサルタントでは、「求人を探す手間が少ない」「スケジュール管理を代行してもらえる」などの「効率の良さ」を示す声があった一方、転職サイトはまた違った面で「効率良く」転職活動ができるのかもしれません。応募のタイミングや面接日程の調整も含め、自分のペースで転職活動を進めることができると言えるでしょう。
転職サイトを通じてすぐに応募ができるうえ、転職サイトによっては履歴書などの応募データを一度登録してしまえば、複数の求人に同時に応募することが可能なことも。また、企業によっては応募時は詳細な履歴書、職務経歴書が不要な場合もあるようです。
中途採用は募集期間が限られていることもあり、「気になる求人を見つけたら、まずは応募したい!」と思う人にとっては「応募しやすい」と感じるのかもしれません。
コンサルタントと転職サイトに登録して転職活動を行った人に、「どちらのサービスから応募した企業に入社したか」を聞いてみると、「転職サイトから応募した企業に入社した」が49%、「コンサルタントから応募した企業に入社した」が27%、「どちらも使わなかった」が24%に。今回のアンケートでは、転職サイトから応募した企業に入社した人が多いという結果になりました。
しかし、それぞれのサービスで「使って良かった」と感じることの1位が「求人情報」に関する内容だったことから、利用したサービスで扱っている求人や、「自分が応募したい(入社したい)」と思える企業に出合うタイミングにもよるのかもしれません。
コンサルタントと転職サイト、どちらのサービスも利用した人が多かったことからも分かるように、複数のサービスから求人企業や転職活動全般に関する情報を収集し、気になる企業を見つけたらすぐ応募できるよう準備しておくことが、転職活動を上手に進めるコツなのかもしれません。
それぞれの違いや特徴を理解したうえで、自分に合うサービスを選んだり、幅広く情報収集を行い、後悔のない転職活動をしてくださいね!